阿佐ヶ谷駅北口・杉一小改築問題情報

阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会が運営しています。当会の活動のほか、阿佐ヶ谷の問題についての個人・団体の発信、区の動向をまとめています

これまでの保護者・住民からの意見

前記事

https://asakitas1.hatenadiary.jp/entry/2023/12/11/224026

のとおり、現在杉並区では広範なオープンハウス・意見交換会と、近隣住民、保護者、地権者、まちづくり団体との個別意見交換会(区長参加)を連続的に実施しています。

 

いよいよ12/23(土)14:00-17:00杉一小体育館にて、オープンハウス説明会の最終回が開かれます。これは区側としても、広く杉一小保護者、在校生、卒業生、入学予定児童の保護者などに参加してほしいということで、杉一小での開催となりました。

入退場自由、予約不要、16:00からは意見交換会もあります。

また、アンケートや付箋を使って意見を残すと、区が集約します。ぜひご参加ください。

会場では紙版の、ネットでは12/26まで記入可能(2000字、同一ブラウザからは1回のみ投稿可能)なアンケートもあります。

https://logoform.jp/form/Y4gR/425414

 

以下、これまで様々な団体が出した要望書や意見書を掲載しますので、オープンハウス質疑やアンケート記入の参考にしてください。

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「阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会」:杉一小を移転せず、他施設と共存する形で現在地に残し、現河北病院(C街区)を周辺環境と教育に資する形で区が活用することを提案しています。23年5月30日提出。

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我々は、阿佐ヶ谷の原風景を守り、それを活かしたまちづくりを推進していきたいので、杉並第一小学校(以下杉一小)跡地及び河北病院跡地の建築計画について以下4点を要望します。

1.杉一小跡地に高さ40m以上の高層建築を建てないこと。

2.同地に建築される建築物の中に小学校機能を入れること。

3.河北病院跡地は、小学校の第二運動場かつ人々の憩いの場と防災機能を兼ね備えた広場として活用すること。

4.A街区全体として脱炭素に向けたCEMS(コミュニティ・エネルギー・マネジメント・システム)を構築すること。

5.以上を踏まえ、杉一小跡地及び河北病院跡地の建築計画については公開のプロポーザルコンペを実施すること。

[事由]

1の事由

・周辺環境と調和し、歴史ある北口の町並みには高層建築物は馴染まない。

(中略)

2の事由

・もともと杉一小は複合建替えする構想であった。仮にまとまった容積の建物を小学校跡地に建設するならば、その中に小学校機能を入れるほうが道理が通る。

(中略)

3の事由

・河北病院移転先として、大半が伐採されてしまった「けやき屋敷」の樹林を補償するために、河北病院跡地に多数の植樹を含めみどりを確保することで地域の環境にも寄与する。小学校の授業時間以外は地域に開放し憩いの場とすることができる。

・火よけ地として利用することで地域の防災機能を高めることができると同時に、震災時の一時避難場所や防災訓練の場所として利活用できる。

(後略)

 

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「杉並区阿佐谷北1丁目・2丁目住民有志の会」:近隣に長く住む方たちの経験から、水害と浸水への懸念、C街区活用への要望を出しています。23年11月提出。

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杉並第一小学校を移転することなく、現在地での建て替えを検討してください。 

 =地域住民のいのちを最優先して、地震災害・豪雨災害の観点から強く要望します=

阿佐ヶ谷はその地名が示すように浅い谷がある場所、固い地盤と軟らかい地盤がある場所です。江戸、明治の頃には、固い地盤に立つ建造物は寺社、相沢邸そして今の杉並第一小学校だけでした。周辺は柔らかい地盤で、田んぼや沼地で住宅はほとんどありませんでした。Sそのため、関東大震災時に大きな被害の記録がありませんでした。その後、田んぼや沼地に人々が多く住むようになり、この地域は自身の危険度が高く、豪雨時には浸水被害を受ける場所となり、避難を余儀なくされる場所となっています。

河北病院本館(河北HP)は軟弱地盤で、谷底低地にあります。小学校との標高差はおよそ3mあり、大雨が降ると中杉通りから学校脇を病院方向に向かって降水が流れる光景がよく見られます。

堅い地盤の上にあり、大震災時、豪雨時の避難場所・救援所という機能を担っている杉並第一小学校を、軟弱地盤の河北HPの跡地を区有地にして移転して、これから先、100年、200年先までの震災、豪雨災害からの児童や地域住民の安全を保障できるとは考えられません。小学校の建築にあたっては、今の住民ばかりでなく将来の幼子の母親・幼児・児童・障がい者・高齢者など、すべての住民の命を第一に考えた計画として頂きたく、次のように要望いたします。

1、 相澤の森が続いてきたのと同じくらい未来まで住民の命をかんがえて、地下水脈の影響のない、固い地盤上にある杉並第一小学校は現地での建て替えとしてください。

2、 地震災害時、豪雨災害時、双方の災害時に機能を発揮できる杉並第一小学校にしてくことで、地域住民の命を守ってください。

3、 小学校の単独建て替えが無理な場合は現地での複合施設としての計画にしてください。

4、 河北HPの跡地、教育活動の活用スペースや人々の憩いの場、豪雨時の遊水地機能、大震災時の防災機能を兼ね備えた広場としてください。

以上

 

 

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「杉一小を現在の場所に残したい現役保護者有志の会&OB保護者有志の会」:これまで当事者である学校関係者、特に保護者に計画が相談・周知されないまま進んできたことを問題視しています。そのため、これまで区が考慮していなかった移転案の「近隣住民との関係」「地域に開かれた学校としての教育風土」などを行政に伝えています。保護者、在校生からの意見の手紙も30通以上添付したそうです。23年11月10日提出。

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杉並第一小学校は創立148年の歴史を持つ杉並最古の小学校のひとつであり、学校支援本部が設置され始めた初期よりそのモデル校とされるなど、長きにわたり児童と教職員、保護者、地域の方々とが一体となって学校運営をしてきた、まさに地域に育まれた小学校です。

私達は杉一小児童の保護者として、この杉一小独自の教育風土を守り、この場所で発展させるために。また児童や地域住民の安全を守り続けるためにも、現在の杉一小の場所に引き続きあり続けることを要望します。

1.杉一小が現在の杉一小の場所に引き続きあり続けること。

2.小学校単独の土地利用、単独施設が望ましいが、区の事情等によって施設の複合化が止むを得ない場合は、児童や地域住民の安全と、これまでの杉一小の教育環境を十分担保したものとすること。

3.また、その複合施設のあり方や同居の施設を検討する場合も、あくまで中心は小学校とした上で、同居の民間業者の業種業態も含め、小学校との同居に相応しい保育や育児、教育関連のものに限定する等、杉並区教育ビジョン等を具現化、象徴化、今後の杉並教育のモデルケースとなる施設を目指すこと。

4.そしてその新施設の検討座組としては、地権者、利害関係者、地域関係者(町会・商店会等)だけでなく、児童(在校・卒業)、教職員、保護者(卒業児童・入学予定児童)、学校支援本部等の学校関係者、さらに保育・育児・教育関係者の視点から広くアイデアや意見を丹念に掘り起こしてその声を反映し、「住民と共に創る地域マネジメント」に相応しいものとすること。

<理由>

「この地にあってこその教育風土を守り、この地で発展させる」

・市街地の中心にあって周囲の商店や地域住民の協力によって、地域に開かれ、地域と支えあう、地域とともに学ぶ教育がなされてきた。市街地の中心にあることが杉一小の個性であり、他校では出来ない教育プログラムを実施し、独自の教育風土を育んできた。

・阿佐ヶ谷盆踊り、阿佐ヶ谷ジャスストリートの会場としても利用され、地域住民の交流や文化発信の中心的な施設のひとつ。

・駅から至近距離で利便性に優れ、他校では出来ない阿佐ヶ谷駅前での活動や交通機関を利用した校外学習も可能。

・駅から至近距離であることから、両親共働きの家庭の児童の送迎や放課後のフォローの利便性が高い。

・市街地にあるため騒音が周囲の環境を干渉せず、10分おき、45分おきに鳴るチャイム音をはじめ、体育や休み時間の歓声、音楽活動の楽器音等、周辺住民の理解と許容の中、伸び伸びとした教育活動が出来ている。

・現在は校区の中心部にあり、各児童の通学距離時間も概ね20分以内であるが、移転するとそのバランスが崩れ、通学に片道25分以上かかる児童が発生する。

・例年、指定校変更の制度を利用し、阿佐ヶ谷駅南西エリアからの越境入学者が一定数いるが、移転するとかなり遠くなることから、その方々の入学断念が懸念される。この数年の入学者数減少傾向を鑑み、現在の場所の利点を失うべきではない。

・小学校の学舎は、卒業していく児童にとっての心の原風景であり、教職員達が人事異動で変わろうとも、自身がかつて学んだその場所にいつでも戻れることが、卒業児童の心の支えとなっている。その学舎がそこにあることが、時おり卒業生を学校に招き入れ、在校児童との交流を生む。過去と未来の架け橋となっている。

なお、杉一小現役保護者の声を意見集として添付します。現役児童の声もあります。

是非ご参照いただき、ご検討ください。

また、本要望書提出にあたり、区長との直接面談を希望しましたが、残念ながらかないませんでした。引き続き区長との意見交換の機会を希望しています。併せてご検討ください。

 

 

[意見集]より抜粋

【1】

子供達が今の杉一小が狭いことに不満を持っていたわけではないのに、大人達が勝手に広い方がいいだろうと考えて、無理やり病院の跡地に小学校を移転させるなんて、とんでもないことだと思います。古い病院の跡地なんて普通は誰も行きたくないし、誰も土地を買わないでしょう。そんな土地に屁理屈をつけて子供達を追いやるなんて、子供を大事にしていない区だと思われます。

2】

子供がジュニバンに参加している。

ジュニバンは戦前から続く伝統あるバンドで、地域に支えられて活動してきた。

移転地においても現在と同様の活動が担保されるのか。

1、現在の小学校の場所は隣が西友、神明宮、そして森があり、子供たちが声を上げて伸び伸び学べる良い学習環境にある。

2、夏祭り、親父の会のイベント、ジャズフェスティバル、運動会等問題なく開催できている。

3、ジュニアバンドも活動できているが、コロナのような不測の事態がおき、窓を開けて練習しないといけない状況となった。

移転先は住宅地域に至近である。音によるクレームが心配だ。

4、クレームによって子供たちの生活に制限をかけることはあってはならない。

5、クレーム対応のために、先生方が地域の対応が増えるなど、労働環境が悪化することも懸念する。

6、移転先は馬橋小学校や朝鮮学校とも至近である。杉一小学校が移転したら、阿佐ヶ谷北一丁目地域は大変騒々しくなるのは予想できる。

最後に、①コロナなどの不測の事態や②気候変動による予想できない降水量の雨、③住人の過剰なストレスによる事件事故、そういったことへの対策をすることで、子どもたちの生活に制限をかけることは絶対にあってはならないし、巨額の税金を投入したり、区の職員や学校関係者、PTAに負担がかかることもあってはならない。

今の場所はそういった問題はないのだから、小学校が今の地にとどまることを希望する。移転はしたくない。区長お願いします。

3】

確かに仮校舎の期間は先生にも子供達にも不自由はあると思うが、だからといってどこに移転してもいいわけではない。148年続いた小学校の100年先を考えるのに、この1-2年のことで決めるのはどうか。しかも最近は仮校舎といっても昔のプレハブとは違い、ずっと質がいい。

そういうことで子供達や保護者を脅し、移転に誘導するのはズルイやり方だ。移転しないことを希望する。

11】

学校が駅から近いので、先生は子供を連れて駅まで行く負担が少なくて5分ほどで行ける。だから一時間目からJRで高円寺に行って、座・高円寺で演劇を見たり、荻窪に行って、杉並公会堂でコンサートを聞いても、四時間目までに学校に戻って来られて、学校で給食が食べられる。それが馬橋小、杉七小、杉九小だと、午前中には学校に戻って来られず、一日行事になるし、お弁当が必要だと、その学校の保護者から聞いた。また、子供を一学年まとめて集団で歩かせて駅まで行くのは、先生は大変負担だと言っていた。杉一小が移転して駅から遠くなると、今杉一小で出来ているそういう子供達によい課外活動が減ってしまうのではと心配。

【22

杉一小は病院跡地に仮校舎を建てていったん移転し、また今の場所に複合施設の一部として戻ってくればいい。その仮校舎は「近代&児童文学館」として再利用。阿佐谷・高円寺は井伏鱒二小川未明を生んだ土地だし。そしてけやき屋敷で失った緑を復活させ、防災公園にすればいい。そうすると病院跡地は「文化・環境・防災」を兼ね備えた、杉並の象徴的な場所になる。

27】

自分の周りには、少しは移転に賛成している人もいますが、その人達は、子供のことはどうでもいいと言っていたり、駅前の土地の活用の話ばかりです。そういう人の意見で子供の小学校を移転してもいいのでしょうか?

28】

区の説明では「杉一小が病院跡地に移っても、近隣住民から騒音クレームが起きないように努力します。」といっているが、「努力」って何を努力するのか?区が出来ることは施設をどうにかすることだけ。実際に近隣住民のクレーム対応や、日頃の活動で騒音が起きないように努力するのは、先生と子供達だ。

 

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今回の連続的な意見交換会では12/7杉一小学校運営協議会、12/13杉一小保護者有志、12/19杉一小保護者及び近隣住民約40名などとの各2時間程度の懇談会がありました。区側は岸本区長と担当職員10名程度が出席。

詳細は後日杉並区が議事録を公開する約束ですので、公開を待ちましょう。

なお、12/25には[阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会]の意見交換が予定されています。

 

これらのプロセスは岸本区政の「対話をたいせつにしたまちづくり」の方針で実施され、8月と10月の「振り返る会」では「対話の継続」が結論となりました。

しかし今回のオープンハウスのパネルによると、次は「まちづくりセッション」「エリアプラットフォーム」「学校改築検討懇談会」となっており、広く区民と対話する場の設定がなされていません。

区の説明はまだまだ不足であり、「対話」はようやく糸口に達した程度です。

「対話の継続」のためには、みなさんのオープンハウスへの参加と、アンケートでの意見表明が必要です。阿佐ヶ谷北口だけでなく、杉並すべてのまちづくりのため、この機会に積極的にご参加ください。