阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会は、「振り返る会」参加者有志と、3.9「開かれた区政をつくる会」集会およびメールで呼びかけた個人賛同との連盟で、3月11日午前9時に要望書を区長室に提出しました。残念ながら区長はまだ登庁されておらず、秘書の方への手渡しとなりました。
また、区議会の全議員に、提出した要望書のコピー(署名簿はつけていません)を配布していただけるよう、区議会事務局に委託しました。
要望書全文は以下。
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杉並区長 岸本聡子様 2024年3月11日
阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会
「阿佐ヶ谷駅北東地区のまちづくりを振り返る会」参加者有志
要 望 書
阿佐ヶ谷の原風景を守るまちづくり協議会は、本年1月9日にも岸本区長宛に要望書を提出しましたが、いまだ区長からの回答はいただいておりません。
そんな中、1月22日に区長メッセージが発表され、田中前区長時代に策定した計画を見直さず進めることを決断したと宣言されました。私たちは、岸本区長就任によって阿佐ヶ谷の再開発が見直され、杉一小移転計画を止められると期待して応援してきました。それだけに今回のメッセージには大変驚き、失望をかくせません。この結論は尚早であり、区長公約に反するものです。私たちは再考を望みます。
現在、区議会第1回定例会には令和6年度予算案が上程され、杉一小改築に関する予算も計上されていますが、私たちの「杉一小の移転計画は引き続き再検討すべき」という基本的な立場に変わりはありません。なぜならば、「杉一小移転計画見直しはできない」「重大な違法行為」「賠償請求」という区の説明は正しくなく、その一方で区民から再三指摘されている杉一小のC街区移転についての様々なリスクは何も解決していないからです。私たちは、阿佐ヶ谷のまちを守り、将来も含めて子どもたちを守るために、これまでと変わらない要望をしていきます。
昨年8月、10月の「振り返る会」でも12月のオープンハウスにおける話し合いでも圧倒的に反対意見が多く、各団体と区長との意見交換でも1団体を除いた全ての団体で反対や慎重・不安の声が大勢を占め、何より当事者である学校運営協議会との意見交換では参加者のほとんどが強い反対の意志を明らかにしました。にもかかわらず、区長メッセージでは「総合的に勘案。現計画を推進する判断をした」の一言で、判断の理由の説明さえありません。
また、「換地の不公平性」について、税理士・公認会計士の加藤俊也氏から何度も要望書が提出されているにもかかわらず、区からは何らの客観的具体的で合理的な説明はなされていません。換地に関する資料については、依然として一部非公開で黒塗りのままです。
今後さらに計画が具体化していくとすると、病院跡地の土壌汚染や軟弱地盤により学校建設が困難であることが次々と明らかになり、それによる工事の遅れ、予算の肥大化といった問題が出てくることは容易に予想されます。それに対して、区が責任をもった対応をするとは、これまでの区の対応からは到底考えられません。
区長は公約(*下記参照)通り、本当の対話を継続してください。「本当の対話」とは「見直しを含めた対話」のことです。昨年8月以来、区は「対話」と称する場を何度か設定しましたが、残念ながらそれは、区が“丁寧な説明”をし、区民が意見を述べても区はそれをただ聞くだけという「見直しなき対話」でした。そして、10月22日の「振り返る会」の最後には区長自ら「対話の継続」を参加者に約束したにもかかわらず、対話の扉は一方的に閉じられました。しかし今も、多くの区民は「本当の対話」を望んでいます。
*参照 (2022年6月18日 Ver.3 <さとこビジョン>対話から始まる みんなの杉並構想より)
「3.「対話」を大切にしたまちづくりを。
〇区立施設の統廃合や駅前再開発、大規模道路拡幅計画など、住民の合意が得られていないものはいったん停止し、抜本的に見直します。
〇駅前再開発や大規模道路拡幅は、道路を渡りにくくして、まちをバラバラにしてしまいます。クルマの通行量も増えるので、排気ガス問題など環境も悪化します。地域住民や関係者とていねいに話し合い、反対意見が強くある場合は計画を凍結し見直します。」
現状での本件の進められ方は、岸本区長の「対話を大切にしたまちづくり」「子どもの権利」「情報公開ナンバーワンの区政」とは相容れないものです。区長が公約として掲げた理念に則り、再考されることを求めます。
そこで、下記のように要望いたします。
要望項目は、1月31日に「区長への手紙」の束の提出にあたりお渡しした「杉一小移転に関する意見・要望の提出について」と同じです。
記
1.「見直しなき対話」ではなく、区民との本当の対話をすることを求めます。
2.「令和6年度予算案」における本件に関わる予算項目の使途を、小学校移転前提に限定せず、小学校現地建替えを含む検討や作業に使用できるよう対応することを求めます。
3.「換地の不公平性」についての疑問に誠実に答え、前区政の意思決定を検証することを求めます。
最後に、本要望書に対する誠実な回答および対応が見られない場合、私たちは区民の権利を行使し、住民監査請求も辞さないことを付記しておきます。