24.7.20[阿佐ヶ谷]連続学習会vol.1「河北病院跡地の土壌・地盤は大丈夫?」
三本に分けてアップします。二本目は島田 昭仁さんの講義。
動画1本目の9分すぎから、2本目の16分まで。
杉並区に対して、C街区の基礎工事について忠告したが「A街区(現在の杉一小)でも杭は必要、コストは変わらない」などと言っている。C街区の地盤はまったく違う。支持層に届く長さだけでなく、質が違う。
区画整理事業は換地であるため、照応の原則が必要。だからこそ[残余の危険性]を払拭する整備計画が必要。
能登半島地震によりこれまでと盛り土の危険性についての考え方が変わっている。これまで考慮されてこなかった宙水も、宅地崩壊の事例などにより緊急課題となった。
地盤改良工事とは:
1.柱状改良工法:柱(摩擦杭)をたくさん打つ
2.薬液注入:薬剤でゲル状に固め、液状化を防ぐ
3.矢板打込:矢板に外から圧力がかかり、締まっていくが、下から地下水が上がる。ディープウェル:深井戸で地下水汲み上げる必要。阿佐谷地域区民センターがこの工法。
4.技研製作所エコパーク(駐車場)の事例:円筒状の基礎を下部基礎構造にする。
杭打ちの問題点:
現場打ち:穴を掘って土とコンクリートを混ぜて固める。:地下で見えないので施工基準に達していないことがある。例:横浜市の新庁舎。地下水、宙水が影響(コンクリートを溶かす)したのでは。
能登半島地震:
支持杭が折れた、地震で破壊されたのなら日本で初めての事例。液状化に似たことが起こったのか?エネルギーが杭に行って破壊した?それだけでは解明できない。
杭が折れただけでなぜ完全に倒れたのか(初めての事例)。
政治的問題:マグニチュード7.6の想定を無視して、1997年公表のマグニチュード7.0を据え置いた。
阿佐ヶ谷の場合:
C街区(河北病院跡地)の条件では、打込み杭工法以外使えない。
打ち込み杭はすさまじい騒音・振動が発生:近隣対策できるのか?
レベル2程度の横震度=残余の危険性払拭には強い杭を打たないとならない。
コストの問題:
現在の河北病院の松杭を抜くのにお金がかかる(工費の一割を想定)。杉並区は想定しているのか。新国立競技場の場合は抜かないでやった。
汚染者負担の原則:杭抜きも汚染も河北がきれいにすべき。
杭抜き・杭打ちはそれぞれ10万円/㎡。
杉並区が委託した佐藤総合計画案をベースに試算:
佐藤総合は35万円だが、現在の建築価格高騰で2-3倍でもおかしくない。
区は「上げ底」と言っている。一階分は水を入れるために遊ばせる。その上もサブスペース:15億円が水害対策のために余分にかかる。
盛土:何メートル掘り下げるのか?
軟弱地盤対策(上:校庭全部、下:校舎のみ)校庭まで全部やるべき。
工法A:普通の杭打ち
工法B:区民センターでやったようなディープウェルを掘る
工法C:エコパークのような円筒状の基礎
C街区は、桃園川河床、武蔵野礫層の上に桃園川の粘土質、腐植土
A街区は粘土質ではない。同じ工事で考えることはできない(杉並区は同じだと主張)。
地下水面図:河北病院下には無数の水路、宙水は確実に存在する。
第二桃園川幹線:C街区の対策ではない。宙水の対策にはならない。